はじめに:なぜ「中国 vs. ベトナム」の比較が重要なのか?
トピック1:物流インフラの違い
トピック2:気候と物流への影響
トピック3:業界別の物流・輸送事例:中国 vs. ベトナム
まとめ
近年、日本の輸入業者の間で「中国依存からの脱却」が重要なテーマになっています。かつては圧倒的なコストパフォーマンスを誇った中国輸入ですが、
といった理由から、ベトナムへの切り替えを検討する企業が増えています。しかし、「ベトナムからの輸入は本当にお得なのか?」と疑問を持つ方も多いはずです。
シリーズの前回では、「ベトナムからの輸入が注目される理由とは?」をご紹介しました。その中では、中国からベトナムへシフトする、チャイナプラスワンの潮流を解説しました。
本記事では、「物流と輸送コスト」の観点から、中国とベトナムを徹底比較し、それぞれのメリット・デメリットを明らかにしていきます。
中国は港湾インフラが整い、直航便が多くリードタイムが短い。
ベトナムは直航便の増加により輸送時間が改善されつつあるが、港湾の規模では中国に劣る。
コンテナ混載便は両国とも対応しているが、特に中国のほうが小ロット輸送の利便性が高い。
緊急対応では、中国は高速フェリーが利用できるが、ベトナムは航空輸送への依存度が高い。
中国は高速道路・鉄道網が発達しており、物流の効率が高い。
ベトナムも物流インフラの整備が進んでいるが、中国ほどの規模や安定性には至っていない。
中国は欧州まで鉄道輸送が可能で、国際輸送の選択肢が広い。
ベトナムは国内物流の発展中だが、国内輸送コストはまだ高い傾向にある。
このように、中国とベトナムでは物流インフラや輸送環境に明確な違いがあります。企業がどちらの国を選ぶかは、輸送コスト・リードタイム・緊急対応・国内物流の整備状況などを総合的に判断することが重要です。
雨季や台風シーズンには、港湾や道路の交通に影響を及ぼす可能性があります。道路が冠水したり、港の作業が遅延することがあるため、輸送スケジュールに余裕を持たせる必要があります。特に海上輸送では、スケジュール変更や出港の遅延に備えておくことが大切です。
高温多湿な環境下では、輸送中の温度管理が重要です。特に食品や化粧品など、温度に敏感な商品を取り扱う場合は、冷蔵コンテナ(リーファーコンテナ=Reefer Container)の利用や輸送時の温度管理が求められます。もし温度管理が適切でないと、品質劣化のリスクが高まるため、事前にしっかりと計画を立てることが必要です。
中国沿岸地域の気候は、日本の四季の移り変わりと同じために、温度管理はほぼ日本での想定範囲内です。真夏は猛暑によって、コンテナの温度が高温になるために、夏のシーズ商品によっては、夏のシーズンは冷蔵コンテナを使用します。
ベトナムは、特に南に位置するホーチミンは、熱帯モンスーン気候の地域です。四季ではなく、乾季(11月~4月頃)と雨季(5月~10月頃)に大きく分かれます。
化学品、特に染料などは、昇華の要因になるために、温度管理に配慮を要します。
港や倉庫での保管中にも湿気対策が求められます。ベトナムの倉庫やコンテナ内での除湿措置(乾燥剤の使用など)を行うことで、商品品質の維持が図れます。
雨季の中でも、6月~9月は、特に降水量が多い時期のために、湿度が高くなります。この時期は、ダンボールカートンの強度に課題があると、荷崩れの要因となるために、注意が必要です。
吸湿性のある原材料を用いた製品は、湿度に対する管理を要します。
例えば、木材、竹、籐などの自然由来の原材料を用いた家具やバッグなどの服飾雑貨は、カビが発生する事があります。
カビの課題においては、フェイクレザーのPVCやPUを原材料とした、アパレル製品や服飾雑貨も同じように、対策が必要です。
ベトナムの工場を出荷した時には問題がなくても、日本へ輸入した後に、梱包を開梱した後に、カビが生えてしまっている事もあります。そのために、防カビ対策を図るなど、輸送時の対策が大切です。
自然災害や季節要因による影響を最小限にするため、複数の地域や工場を活用するサプライチェーンの多様化を図ります。これにより、一部の工場が稼働できない場合でも、他の生産拠点で対応可能にします。
台風シーズンや雨季には輸送遅延が発生しやすいため、通常よりも多めの在庫を確保しておくことが有効です。特に、販売シーズンに合わせた輸入スケジュールを計画的に組むことで、安定供給を維持します。
ベトナムの気候リスクに対応するため、現地の物流業者と緊密に連携し、輸送計画の変更や緊急対応に柔軟に対処できる体制を整えておくことが重要です。その対策として、物流業者が提供する最新の天候情報や輸送状況を参考にして、最適な輸送手段を選択することも有効です。
中国で生産していた企業がベトナムへ移管した事例を交えながら、5つの業界について比較します。
このように、各業界の特徴と移管の影響を考慮しながら、中国とベトナムを選択することが重要です。
中国とベトナムの輸送環境は、それぞれにメリット・デメリットがあります。しかし、近年の物流インフラの発展により、ベトナムも十分に選択肢として考えられるようになりました。特にベトナムにて、小ロット輸入を検討している企業には、混載便の活用が有効です。
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