こんにちは。
筆者は、2006年より商社で繊維製品の輸出入業務及び生産管理として業務に携わってきました。
担当していた工場の地域は、中国上海、南通近郊、ベトナムホーチミン近郊に位置していました。そして、その貿易事務の内容は、中国とベトナム各地から日本への輸入、中国からベトナム向けの輸出(三国間貿易)を主に行っておりました。
前回は、貿易にかかる書類業務をメインに仕事の内容を紹介させていただきました。今回は、生産に関わる管理業務(=生産管理)について紹介いたします。
あるある! こんなこともやってるんだ! これは役にたちそう!などお届けできればと思います。
前回は契約~輸入/納品の事務メインの業務については紹介させていただきました。
製品を生産するためには、下記のような多岐にわたり細かい業務が発生します。
これらを、大まかに業務を分類すると以下のようになります。
1企画品質管理
2生産計画管理
3量産計画管理
筆者は繊維製品を扱っておりました。
下記トピックでは繊維製品の各分類ごとの細かな業務を紹介いたします。
企画品質管理とは、納品する製品の開発に関する管理のことです。
例えば
など、様々な角度から検証し品質を管理していきます。
実際のプロセスとしては、
デザイン立案
↓
サンプル作成
↓
問題がない製品か検証
↓
最終デザイン決定
というような、流れになります。
各ブランド様、次のシーズンに向けて企画会議を行っています。
アパレル製品であれば、1年間を2つのシーズンに分けます。この2つのシーズンとは、SS(春夏、Spring & Summer)、とFW(秋冬、Fall & Winter)です。どのアイテムや素材を使った製品を展開するかを、この2つに分けた次のシーズンに向けて、企画会議で決めます。
各ブランドにより企画会議の時期は異なります。筆者が担当していたブランドは、販売の1年程前に企画会議が始まり、その半年後に初回納品予定で企画決定しておりました。
(例えば、2026年のSSシーズンの場合、2025年の春に企画会議を開催し、2025年の冬に納品を開始する計画です。)
1年前に決定したデザインが、約1年後にお客様の手元へようやく届くことになります。
1年もあればたくさん時間があるように感じますが、なぜか毎回といっていいほど納期遅延が発生していた思い出。。。。
どんな製品をサンプル作成するかは、おおまかに2通りあります。
提案型 : 商社から各ブランドのお客さまに提案する
依頼型 : 各ブランドから具体的なデザインの指定があり依頼を受ける
各ブランドでおおまかな方向性があれば、商社はそれに沿ってデザイナーが提案を行います。それとは別に、お客さまより具体的なサンプルの依頼がくれば、それを海外の生地工場や縫製工場に相談し、、サンプルを作成を依頼します。
サンプルを作るためまずは、作成に必要な資材を準備するところから始まります。
アパレル製品であれば、さまざまな素材が必要になります。
その素材とは、
これら全ての資材を準備するところからスタートです。
サンプル作成は一概には言えないですが、
とにかく依頼数が多い!
そして、納期がギリギリのことが多い!
Aサンプルx素材A 8色
Aサンプルx素材B 8色
Bサンプルx素材A 8色
Bサンプルx素材B 8色
、、、などなど、これだけでも既に32枚になります。
それらの中で、どれを優先すべきか依頼する時点で決めておかないと、後々
となりかねません。
サンプル用の生地を作る(生地の編立や染色、プリントなどなど)には、早いもので1~2週間かかります。更に、時間がかかる生地だと、生地作りに1か月近くかかるものがあります。
天竺(Tシャツに使われるような生地)無地の後染めなら、染める前の生地があれば1~2週間かかります。
天竺のプリント、もしくは先染め(糸の段階で染めること)になると早くても3週間はかかります。
これらと違い、特殊生地(ボアやファー、合皮、ウール、麻など)になると、サンプルの生地は手配出きないので、在庫生地で提案をしたりすることもあります。
先方の企画会議の日程は決まっています。そのため、必ずその日程までに依頼をうけたサンプルを提出しなければなりません。この日程までにできるよう、まず新シーズンの企画が始まったらとにかくスケジュールを逆算します。そして、いつまでに依頼をもらわないといけないかをすぐに確認します。
例にすると・・・
企画書入手
↓
約1日間 :サンプル依頼(生地工場/縫製工場)
↓
約20日間 : 生地UP/工場着
↓
約2日間 : サンプル作成 (縫製工場)
↓
約4日間 : サンプル工場発送
↓
約2日間 : サンプル到着&提出!
ざっと計算しただけでも約1か月間。
ここから、各工程で数日でも短縮できないかを、工場に交渉していくことになります。
まず、
と、お客様へ連絡をして、先手を打ちます。
次に、生地工場。
と。宣言します。
(まぁ、だいたいここでくる返事は依頼をもらってから納期返事します、の一言だけですが、、、)
段取りが全てですが、念には念を入れて、対策を取ります。
ここで、実際に依頼した生地とは別に、既に工場在庫品にある似寄りの生地も探しておくように工場へ依頼をしておきます。万が一、生地が間に合わない場合は、代用生地でサンプルを作るためです。
そして縫製工場へ、
と宣言。
本当に指示通りの仕様でサンプルUPできるか、心配です。そこで、サンプル用の生地が到着する前に、一旦代用生地でサンプルを作成し確認しておく。ここでリスク発見できれば、先にお客さまとも品質相談ができるので後に起こりうるリスクを減らせます。
あとは、宣言した通り各社が納期を守れそうかどうか、随時確認していきます。
これらが、確認作業のポイントです。
企画会議前、依頼~サンプル納品までの約1か月間は、常にどこかで遅れがでていないか?予定通り進んでいるか?ドキドキしながら過ごす日々でした。
(あまりにもチェック細かくて工場からは嫌がられてたんだろうな。。。。)
ここまでは、サンプルを工場へ発注するまでの流れを説明しました。
次回は、そのサンプル作成で起きてしまう予想外のトラブルや、ドタバタの解決などをご紹介します。
◇製作協力
株式会社JJコーポレーション 田中沙織さん